いじゅの脳内解剖記録

私の脳内解剖記録。HiHi JetsとSixTONESが主。稀にKATーTUN。

ENTERTAINER

Summer Paradise 2020

2020/8/18〜8/20にかけて開催された、配信によるHiHi Jetsのサマパラ計八公演。

井上瑞稀・猪狩蒼弥がタッグを組んだ「ずきうや」による「ENTERTAINER」の余韻の醒める兆候が一切しない。早一ヶ月が経とうとしているというのに・・・

受験生という身でここにもそこにもどこにも吐き口の無い状態が続き、流石にいてもたってもいられずに、遂にこのはてなブログに手を出してしまった。ブログの書き方の初歩すらわからないというのに。

 

どこにでもいる、しがない一人の瑞稀担による稚拙極まりない、自己満足の備忘録。

 

だったらメモにでも残しておけば良いものなのだが、自己満足の備忘録、とは言えども、あのステージを摂取してしまった状態のこのバカデカ感情を一人で溜め込むことは到底不可能だった。どうしても誰かに共感を求めたくなってしまい、もしかしたら誰かの目に留まるかもしれない、そして、誰かが共感してくれるかもしれない、という些細な一縷の希望を抱いてブログに流し出すことにした。

 

 

ジャニーズをデジタルに放つ新世代のコンテンツの一つ、IsLAND TVで数日前から事前に「ずきうや」タッグ作品があることを告知した。

j-island.net

相当の期待を煽る告知動画だったのだが、ここでオーディエンスに物凄い期待を抱かせており、本音を言うと結構、「大丈夫か?」と心配してしまう気持ちも少々あった。配信でそんなことできるのか?

ところが、本番。期待に応える、というだけに留まらず、我々の期待を遥かに超越してきた。

そしてこのナンバーが猪狩蒼弥(17)という同い歳➕井上瑞稀(19)という二人によって創りあげられたものである、という事実に物凄い衝撃を受けた。

 

ところでまず、ENTERTAINERとは何か、まさにそれを問うたステージなわけだが、その前に、一般的なENTERTAINERの意味を確認しておきたい。

ENTERTAINER:歓迎する人/もてなす人/職業的芸人。

ENTERTAINER=エンターテイナー:人々を楽しませる芸を身につけている人のこと。

要するに、相手という、なんらかの「対象者」ありきの存在であることが分かる。

 

それではこれを念頭に置いて本題に入りたい。

まず、このENTERTAINER、作詞作曲演出から何までプロデュースを手掛けたのは我らが猪狩蒼弥。このステージの基盤の全てを自ら手掛けたのだ。忘れもしない、昨夏、我々に固唾を飲ませ、半ば幻覚、幻聴かと錯覚する程圧倒し、その名を轟かせた大作、「Fence」の生みの親による最新作となれば、誰もが大注目せざるを得ない。

 

 

 

始まった瞬間、イントロの時点で既に人を引き摺り込むメロディーラインを持ち出している。ズルい。このメロディー、全くどうしたことか、どうにもこうにも脳裏にこびり付いて頭から離れない。永遠に脳内で再生されてしまう。中毒性しかない。開始0.1秒で画面の向こうに何万といるオーディエンスをとらえて離さない。そして、イントロのメロディーがそのままサビにもなっている。今回は、どこをどうサビだと捉えるかがオーディエンス自身に委ねられているような気もするが、このメロディーをサビと捉えるのならば、あえて歌詞をつけずにダンスで魅せるサビを創りあげた彼には感服する。歌詞のないサビというのはなかなかに高度なスタイルだ。人の印象に最もよく残るサビなのに、誤魔化しが一切合切効かないからだ。そこにあえて挑戦しようという彼のその魂胆、心意気に感嘆。

そして猪狩蒼弥のラップが破格のカッコ良さであるのはHiHi担の我々にとって既知だが、このENTERTAINERは、彼が絶対的信頼をおいている、井上瑞稀の魅力を最大限に引き出す構成になっている、ということに対して言葉が出ない。まず猪狩蒼弥ラップで歌い出し、そして井上瑞稀パートはラップ調ではあるものの、音程をつけて両者の違いを出しつつ、さらに二人で歌うパートではなんとも絶妙な聞いたことのない奇抜なハモリのメロディーが完成する。圧巻。

イントロから「crash」、この一声で始まるステージ。身体が震え上がる。

 

さてここまで楽曲については触れてきたが衣装のことも忘れてはいけない。THE GARRYというべく装いは猪狩担の大好物なのではないか。この男、ファーが本当に良く似合う。孤高のカリスマ。自己プロデュース力の高さを見せつけられた。瑞稀くんも膝ダメージ黒の細身のスキニーを履いていることで、ダンス部分の脚の動きが強調され、武器である「ダンス」を最大限に魅せる効果を発揮する。さらに初日と二日目は黒のキャップを被り、最終日では青みがかったカラーサングラスという最終兵器を提示してきた。八公演ある中でもマンネリ化せず、常にオーディエンスに魅せるモノを刷新する彼らのプロとしての意識の高さが垣間見えた。これこそがまさにENTERTAINER意識だと言えよう。

 

そしてステージ。この視点に立った時、あの空間は配信だからこそのステージだったんだと実感する。対面でオーディエンスに直接見せられないというイレギュラーな前代未聞の事態をも強いアドバンテージに変えてきた。全く本当には平伏してしまう。カメラさんと緻密に相談したと思しきカメラワークに、昨夏全人類を圧巻し、その名を轟かせた「Fence」から、さらに進歩した字幕。字幕、言うなれば文字の羅列すらもステージ演出の一部として大きな存在感を放ったのだ。そして、椅子の使い方も素晴らしい。ステージにセットされた二つの椅子。座り方ひとつで異なる印象が出来上がるので万能。

 

もちろんENTERTAINER自身は彼ら二人なので、いくら道具、ステージ構成が優れていても主体である演者がいかにその素材を活かせるかで最終的にパフォーマンス全体の仕上がりが決まる。これは、あくまで私自身の感想であるが、私は文句無しのパフォーマンスだったと声を大にして言いたい。未成年二人によるものだと思えない、いや思いたくない、という方が正しいのか。

猪狩蒼弥が「俺が法だ」と豪語するのは口だけではない。正しくその通り、彼は法だ。彼は全てだ。オーラ、仕草、シルエット、表情、一つひとつが唯一無二な上に自信に満ち溢れたものだ。「マジ猪狩」とでも表そうか。もはや猪狩というワード自体が形容詞的働きを持てるくらいには影響力と存在感がある。

井上瑞稀に目を向けよう。いやはや、流石の表現力だった。こういうEDMにR&Bが入組み合わさったような絶妙なナンバーはこれまであまりやっていなかった気がするが、本当に彼の振り幅の広さに改めて驚いた。指の動き、顔の向き、目線、細かな表情、一つひとつが「表現者」として行き届きすぎているくらいに行き届いている。彼の十年間に渡る努力の賜物であることは間違いない。井上瑞稀の新たな境地を新規開拓してくれた猪狩蒼弥様に頭が上がらない。隠れていたポテンシャルが引き出された夏だ。猪狩蒼弥から井上瑞稀への絶大な信頼をおいた上での構成であることにも心が打たれる。メンバーのことを一番見ていて魅力を引き出せるのはメンバーであることが証明された。

 

この二人のパフォーマンスにおいて終始、「カメラの向こう側にいるオーディエンス」を意識していることがありありと伝わってきた。同じ会場、同じ空間にはいなくとも、彼らはオーディエンスありきのものとしてエンターテイメントを捉えているのだろう、ということが全面に出ているパフォーマンスだった。彼らがENTERTAINERとして持っているエンターテインメント観を存分に浴びることが出来た最高のナンバー。

 

楽家とか何か。ステージは承認欲求の道具ではない。

 

この信念をベースに出来上がったこのステージ。斬新極まりない。18歳を迎える前既ににこの発想と信念を持つ猪狩蒼弥という人物は偉大だと心の底から思った。彼の脳内を一度全て見て見たいと大真面目に日頃から考えている程に、彼の考え方、言動、モットー、才能は桁が違ってずば抜けている。私の中で、猪狩蒼弥、という存在はもはや既に神格化されてしまっている。

そして、そこに融合できる井上瑞稀。彼は自分のことをよく「特徴と個性がない普通の人」だと言っているが、これは決して弱点では無く、むしろ、物凄い強みなのではないかと私は思う。彼は自分を過小評価し過ぎだ。ある意味、個性が突き出た独特な人が集結するジャニーズ事務所では、逆に言えば「普通」の人が極めて稀だ。でも、その中で「普通」というポテンシャルを持つことで、何色にも染まりうることは明白だ。だから毎回味が違う。これ程強い武器があるだろうか?井上瑞稀は何味にもなれる、何色にもなれる存在なのだ。

突然何を言い出すかと思うかもしれないが、彼を例えるならハンバーグ。勿論、ハンバーグ自体は美味しいしそれだけでも十分に魅力はあって、好きな食べ物ランキングでも一、二位を争うレベルで人気な食べ物だ。しかし、レストランなどでは大抵、ハンバーグに様々な種類のソースがかけられており、それによってメニューのバリエーションが増えている。そして、客はこの、ソースに優柔不断になりがちだし、ハンバーグとソースの組み合わせに魅了され、ワクワクするものだ。そう、このソースこそ、その他の人達だ。今回であれば猪狩蒼弥も当てはまる。デミグラスソース、ケチャップ、大根おろし、チーズ、辛味ソースなど挙げ出したらキリがないが、この世には実に様々な種類の調味料、ソースがある。これらはそれひとつでだけでも物凄い強烈な味を持つ。相当な個性を持つ。これらをハンバーグにかけ合わせることで、一瞬でハンバーグの美味しさは倍増し、バリエーションが格段に広がる。そう、可能性は無限大だ。シンプルなハンバーグは何味にでもなることができる。このハンバーグ的なポテンシャルこそ、井上瑞稀の最大で最強の武器だ。稀有なる能力だ。そして、素材としての彼は最高レベルだ。だからこそ、輝く。素材が良いからこそ、完成品が引き立つのだ。ダンススキルにしても、歌唱力にしても、表情にしても、何をとっても彼のベーススキルは周囲にも認められるほどの高レベルに位置する。彼が成人を控えた今夏、私は改めて彼のプロフェッショナルな部分を拝見し感無量。彼のポテンシャルの高さとスキルの高さ、天性のアイドル性に大きな拍手を送りたい。

 

ところで余談だが、「ずきうや」とはいのうえみずき、いがりそうやの名前の最後の二文字を持ち寄って完成したタッグ名だ。これまで私達はこの二人のことを「そやみず」と呼んできたが、果たしてこれは普段からの名称なのか、はたまたENTERTAINERとしてのネームなのか。今後の発言に注目したい。ちなみに、猪狩蒼弥によると当初「GUM」というタッグ名が候補にあったそうだ。これは噛んだ最初の一口目が一番美味しい、という意味が込められていたらしい。刺さる。刺さりすぎる。だからイントロがあんな吸引力なのか?イントロが最初の一口目だとすると辻褄が合いすぎてしまう。繋がった。震え上がった。そういうことか。もはや恐い。良い意味で鳥肌が立って全身の毛が逆立った。裏側にある要素が深すぎて底無し沼のようだ。まだまだ隠れているというのか。新たなピースが少しづつ揃うのが楽しみでありつつも少し怖い。こんなものがまだ沢山未公開だと思うとまぁまぁ寒気がする。

 

まさに自身の中にあるENTERTAINERの在り方、在るべき姿を自らエンターテイメントを通して体現したこのENTERTAINERという作品が私をとらえて離さない。彼らのエンターテイメントに魅了され、虜になって見事にハマり込んでしまったというのか。トラップすぎた。

このイレギュラーな世の中だからこそ生み出された作品でもある。世界は無常だ。当たり前だったことが明日には覆ってしまうかもしれない。エンターテイメントの形も然り。無限に変化する世界でエンターテイナーがどう在るべきか、エンターテイメントとは何なのか、彼らなりの答えがこのENTERTAINER。

 

いつかこの最強のタッグナンバーが、彼らの背中を追う後輩の「憧れ」「目標」「終着点」となる日が必ず来ると強く信じている。そして、進化を遂げた「ずきうや」第二弾を夢見て。